月別アーカイブ: 2015年7月

「小屋火打ち金物」が「羽子板ボルト」と干渉

【新築住宅、名古屋市内】新築住宅診断事例

「小屋火打ち」が「羽子板ボルト」と干渉

「小屋火打ち」が「羽子板ボルト」と干渉

木造の住宅で使われる、金物(かなもの)のお話しです。

金物(かなもの)は、建物の構造的な強度を補強するパーツです。

名古屋市内の新築住宅を診断した際の状況です。

「小屋火打ち金物」と「羽子板ボルト」とが干渉する位置に設置されていて、「小屋火打ち金物」の釘が適正に施工されていません。

これでは、特に「小屋火打ち金物」が十分な強度を発揮できません。

なぜこのような状態になっているのか。。

それぞれの金物(かなもの)がどういう理屈で、建物を補強するのか。

わかって施工されているのかどうなのか(^^;

現場監督にも確認する必要があります。

ちなみに、柱頂部のV字金物も適正な施工になっていません(^^;

こちらも十分な強度を発揮できないと思われます。

プロだからすべてをおまかせすれば安心というわけにはいかないと考えておきましょう。

一般の方が見ても、見る人がみれば「これで大丈夫なのか」とわかる不具合の事例です。

耐震ボードの釘の間隔が100mmになっていません

【新築住宅、尾張地区】新築住宅診断事例

耐震ボードの釘の間隔が間隔が20cm

耐震ボードの釘の間隔が間隔が20cm

大手ビルダーさまの物件です。

外装の下地材として使われる、地震や火災に強い耐震ボードの話です。

この耐震ボードの施工では、設置の際には、100mm(10cm)間隔で釘を打たないといけません。

でないと、本来の性能が発揮できません。

ところが、釘の間隔が20cmになっている箇所があります。

ボードの上下面も両側と同じく10cm間隔にないといけません。

このボードの場合は4周とも必要です。

この状況ではせっかくの耐震ボードが十分な強度を発揮できません。

これは、このボードの施工について、現場監督と大工さんの認識が不足しているものと思われます(^^;

耐震ボード自体は、地震にも火事にも強く、丈夫で長持ちする住まいに貢献するアイテムなのですが、施工方法が規定通りでないと本来想定されている強度が発揮できません。

プランや使っている素材が良くても、現場での施工がちゃんとなされているかどうか。

本来の性能を発揮できるかどうかは、最後は、現場の施工次第という事例です。

なんとインターロッキングで「かぶり厚さ」を調整

【新築住宅、名古屋市内】新築住宅診断事例

なんとインターロッキングで「かぶり厚さ」を調整

なんとインターロッキングで「かぶり厚さ」を調整

構造体である床基礎の被り厚さ調整のために、通常はコンクリート製のスペーサーなどをかまして、被り厚さを調整します。

「被り厚さ」とは、コンクリートの表面から中にある鉄筋までの厚さのことです。

コンクリートはひび割れなどから水分が入り込むと、中の鉄筋が錆びてしまうため、充分なかぶり厚さを確保しないと設計通りの強度を得られません。

で今回の住宅診断事例では、コンクリート製のスペーサーの代わりに、なんと歩道などに使用する古いインターロッキングが使われていました。(^^;

コンクリート製のスペーサーであれば、おそらく基礎部分と同様の強度を確保できますが、インターロッキングでは、強度的にも不十分でしかも吸湿性が高いので、インターロッキングの周りのコンクリートの強度にも影響が出てしまうはず。さらに、インターロッキングに接する鉄筋のサビを誘発する可能性も考えられます。

インターロッキングの代用とはちょっと考えられません。

この光景が一面に広がっていました。コストダウンなのか何なのか。

ちょっと驚愕の光景でした。

今回の内容は、基礎の施工途中でチェックすればわかりますが、床基礎が完成後に外から見ただけでは見抜けません。

「ホームインスペクション名古屋」の住宅診断では、完成後でもかぶり厚さをチェックいたします。コンクリート構造物の鉄筋の「かぶり厚さ」と位置を迅速、正確に探知する『サンコウ電子研究所 鉄筋探査機 RP-I』が活躍します。

サンコウ電子研究所 鉄筋探査機 RP-I

サンコウ電子研究所 鉄筋探査機 RP-I

【参考】「ホームインスペクション名古屋」の住宅診断で使用する専門機器

これではツーバイフォーの耐力壁が意味をなしません。

【新築住宅、知多方面】新築住宅診断事例

ツーバイフォー耐力壁の端が割れていて耐震性を発揮できない

ツーバイフォー耐力壁の端が割れていて耐震性を発揮できない

ツーバイフォー工法は枠組壁工法と言われ、一般的には在来の軸組工法よりも耐震性に優れ、気密性に優れ、品質のバラつきの少なく、工期も短いとされています。

特に、面で家を支える構造なので、耐震性が優れているはずです。

ところが、この診断事例では、ツーバイフォー耐力壁の端が割れていて、耐震性を発揮できないと思われます。

ツーバイフォー工法では、耐力壁とスタッド(在来軸組工法でいう柱のようなもの)が一体になり、面材(板状のもの、ここでは壁状という意味です)として強度を発揮する仕組みです。

スタッドは、場所により幅38㎜(89㎜x38㎜が2x4の大きさです)の部分があり、写真のように構造用合板のジョイントが少しでも幅38㎜の中心がはずれると、釘の位置が合板の端で止めざるを得なく、結果的に合板が割れを起こし耐力壁として一体化しなく、意味をなさなくなります。

ツーバイフォーは必ずフレーム図(構造図)があり、㎜単位の精度で加工されます。

古いツーバイフォー物件でも必ずフレーム図が存在します。

新築のツーバイフォー物件でもフレーム図があることが知らない現場施工担当者が多いのと、設計者でもフレーム図を解読できない方が多く、私の感覚では5人に1人いるかいないかでしょうか。

ツーバイフォー工法だから耐震性が高い、と油断はできません。

設計者がツーバイフォーの物件のフレーム図(構造図)を解読できているのかどうか。

また、現場施工担当者もフレーム図(構造図)を見た上で施工しているのかどうか。

ツーバイフォー工法の基本事項をしっかり認識した上での施工かどうかで、ツーバイフォー工法のメリットが本当に生きているのかいないのかが、左右されてしまいます。

うっかりミス。建築金物のボルトが緩んでいます。

【新築住宅、名古屋市内】新築住宅診断事例

建築金物のボルトが緩んでいます。

建築金物のボルトが緩んでいます。

ボルトが緩んでいます。

すべての金物の施工は完了していて、単純な施工忘れかと思われます。

金物(かなもの)とは、2×4を含む木造住宅において、構造物や柱の強度を補強するために、柱と柱を接合で使用する「ボルト」や「かすがい」、筋かい部分で使う「筋かい金物」など、部材の接合や補強のために使う金属部材のことです。

特に耐震性を強化するには欠かせないパーツです。

今回の状況では、金物を使っている意味が全くありません。

これは、明らかなうっかりミスだと思います。

このようなうっかり忘れは、あらゆる住宅診断現場で、結構目にします。

特に木造住宅での『金物』は要チェックです。

床下の配管接続が原因で水浸

【新築建売住宅、三河地区】の新築建売住宅の診断事例

床下の配管接続が原因で水浸

床下の配管接続が原因で水浸

大手ビルダーさまの物件です。

床下をチェック。

なんか水浸しになっています。

そうとうマズイ状態です。

配管の接続が不十分で、漏水しています。

水道代にも影響がでるでしょうが、床下の湿気は、家の構造体にも影響が出てしまいます。

果たしていつから漏水していたのか。これも気になるところです。。(^^;

早急に対策しないマズイ状態です。

これは間違いなく、購入前に、直してもらわないといけません。

床下は乾燥しているのがベストです。

慢性的な水浸しは早急な対策が必要です。

あらためて、大手ビルダー物件だから、新築だからと言って、油断はできません。

床下も要チェック!防蟻・防湿シートに穴が

【中古住宅、三重県】の中古住宅診断事例

防蟻・防湿シートに穴が・・・

防蟻・防湿シートに穴が・・・

床下を覗いてみます。パッと見、防蟻・防湿シートが敷かれていて、地面からの湿気対策・シロアリ対策がなされているように見えます。

しかし・・・

防蟻・防湿シートの一部に、穴が空いているのを発見!

この状態では、地面からの湿気を防ぐはずの防湿シートが役目を果たさない可能性があります。

湿気が床下に充満すると、断熱材の性能が劣ったり、木材部分にカビができてしまう可能性が高いです。

さらには、白アリの温床になってしまうこともあります。

購入前に、ぜひ直してもらったほうが良いと思われます。

良く見ないと、見落としてしまいがちな診断ポイントです。

シート上のゴミと地面の色が似通っているとなおさらです。ちゃんと光を当てないと見つけにくです。

住宅診断では、床下のような、あえてチェックしないと見えない箇所も重要なチェックポイントです。

欠陥住宅○○会メンバーの設計事務所様の物件でも安心できません

【新築住宅、名古屋市内】の新築住宅診断事例

柱直下の土台下の黒い基礎パッキンが、柱直下全てにありません

柱直下の土台下の黒い基礎パッキンが、柱直下全てにありません

欠陥住宅○○会メンバーの設計事務所様の物件です。

元々の設計がそうなっているのか、施工が設計通りでないのか不明ですが、柱直下の土台下の黒い基礎パッキンが、柱直下全てにありません。(^^;

これでは、柱からの重量をダイレクトに基礎で支えることができません。

さらに、驚いたことに、柱の直下の基礎に、なんと配管スリーブがあります!!(通常の施工では考えられない状態です。)

スリーブとは、給水・排水、吸気・排気、エアコン室内機・室外機の連結、電気配線、情報配線などのために、構造躯体(柱、梁、床、壁、基礎)を貫通する孔のこと。

基礎において、柱の周辺は躯体の強度が低下する恐れがあるので、普通はスリーブを設置しません。

基礎には鉄筋が通っています。

スリーブ管周辺には、通常補強筋を取り付けますが、果たしてちゃんと補強筋があるのかどうか。

これも調査する必要があるかもしれません。

たとえば「新築住宅だから」「大手の会社だから」「高品質住宅だから」などのうたい文句があっても、安心とは言い切れません。

もともとの設計は正しいのか。ちゃんと設計どおりに施工されているのか。

住宅の良し悪しは、実際に確認してはじめて判断できるものです。

足元(基礎部分)も要チェック!しばらく住んでから気づいても直せません。

【中古住宅、三重県】の中古住宅診断事例

基礎にクラックを発見

基礎にクラックを発見

基礎にクラックを発見。

基礎の表面にクラックが走っています。もしかしたら、地盤の不具合による可能性があります。

基礎だけ補強すれば良いのか。もしくは、根本的に地盤沈下が起きているのか。

さらに調査する必要があります。

仮に地盤沈下が原因だとしたら、中古住宅購入後、何年かしてから気づいても直しようがありません。

住宅の外観やインテリア、設備や仕様のチェックももちろん大切です。

地味だけれど、住宅の土台である基礎も、必ずチェックすべき重要な診断ポイントになります。