これではツーバイフォーの耐力壁が意味をなしません。

【新築住宅、知多方面】新築住宅診断事例

ツーバイフォー耐力壁の端が割れていて耐震性を発揮できない

ツーバイフォー耐力壁の端が割れていて耐震性を発揮できない

ツーバイフォー工法は枠組壁工法と言われ、一般的には在来の軸組工法よりも耐震性に優れ、気密性に優れ、品質のバラつきの少なく、工期も短いとされています。

特に、面で家を支える構造なので、耐震性が優れているはずです。

ところが、この診断事例では、ツーバイフォー耐力壁の端が割れていて、耐震性を発揮できないと思われます。

ツーバイフォー工法では、耐力壁とスタッド(在来軸組工法でいう柱のようなもの)が一体になり、面材(板状のもの、ここでは壁状という意味です)として強度を発揮する仕組みです。

スタッドは、場所により幅38㎜(89㎜x38㎜が2x4の大きさです)の部分があり、写真のように構造用合板のジョイントが少しでも幅38㎜の中心がはずれると、釘の位置が合板の端で止めざるを得なく、結果的に合板が割れを起こし耐力壁として一体化しなく、意味をなさなくなります。

ツーバイフォーは必ずフレーム図(構造図)があり、㎜単位の精度で加工されます。

古いツーバイフォー物件でも必ずフレーム図が存在します。

新築のツーバイフォー物件でもフレーム図があることが知らない現場施工担当者が多いのと、設計者でもフレーム図を解読できない方が多く、私の感覚では5人に1人いるかいないかでしょうか。

ツーバイフォー工法だから耐震性が高い、と油断はできません。

設計者がツーバイフォーの物件のフレーム図(構造図)を解読できているのかどうか。

また、現場施工担当者もフレーム図(構造図)を見た上で施工しているのかどうか。

ツーバイフォー工法の基本事項をしっかり認識した上での施工かどうかで、ツーバイフォー工法のメリットが本当に生きているのかいないのかが、左右されてしまいます。